助手席に座る。
狭い車内は生ぬるかった。

「なんとなぁく響子ちゃんかなって思ったんだよ!もう何年もあってなかったのに見破るなんて、すごくない?」

礼くんは相変わらず子供っぽい口調だった。
しかし数年でこんなに変わるものかと疑うほどに、礼くんの体は大きくなり、顔立ちもすっかり大人になっていた。

「礼くん、今いくつだっけ?」

「もう23だよー。響子ちゃんは17?」

「よく覚えてたね!あ、制服きてるからか」

「ちゃんと覚えてたんだよ」

窓から夏の陽射しが差し込み、礼くんの顔が眩しくてよく見えなかった。

けど、




目があった。