「あぁ、別にあいつウザかったから、
あんたを助けるためじゃないから。
お礼はいい。」

「で、でも助けてもらったから・・・。」

「だから、いいんだよ。お礼は!!」

「なんで・・・。」
そこで、あたしは初めてその彼の顔を見た。

(うわぁ、顔 小さいし、一つ一つのパーツも
くっきりしてるけど、まとまりがあって整って、
とてもきれいだよ。でも・・・。)

「何だよ。人の顔ジロジロ見て。
何か、言おうとしたんじゃねぇのかよ。
俺、一秒一秒が大事なんだよ。」

そう言って、彼は歩き始めてしまった。