主将はアタシのペット!?

<2012年6月>
確かあたし達が喋るようになったのはこの時期だった。

6月上旬、あたしは腰を痛めた。
先輩と稽古をしていて、後ろに飛ばされて腰椎分離症を起こしたコトが原因で…
そのまま、無理矢理部活を続けたら、ヘルニアまで起こして剣道を止めざるを得なくなった。
それでも剣道部を辞めるのは嫌で、悩んでいた時に裕介が声をかけてくれた。

「おい、お前。」
「は?あたし?何か用?」
あたしは元々女子っぽくない、サバサバした性格で、どっちかっていうと周りからは怖がられていた。
そのあたしに声をかけた裕介はすごかったと思う。

「お前、今からヒマ?」
「はぁ?何で?」
「ちょっと付き合え。」
「どこに?」
「スタバ。」
なぜか裕介はいきなりあたしを連れてスタバに入った。