「なあに?」
「賢一さ…、曾おじいちゃんの事なんだけど…」
「……。急にどうしたの?」
おばあちゃんが少し寂しそうに言う。
「いや、なんかあんまり聞いた事なかったから、曾おじいちゃんの事。」
「そりゃあ、桃ちゃんが生まれる、うんと前に死んじゃったからねえ…」
「戦争で?」
ちょっと単刀直入過ぎたかな…
「そうね、兵隊さんになって……。」
ああ、やっぱりそうだ。
賢一さん赤紙が来てそのまま――――。
「………おばあちゃんっっ!」
私は必死に言った。
「曾おじいちゃんに、、賢一さんに最後に会ったのっていつ?」
「会ったの?…私と梅子が無理矢理汽車に乗せられた時が最後…かねえ…。」
汽車?疎開だ。
梅子って確かお母さんのお母さん。
つまり私のおばあちゃんで
桜子おばあちゃんの娘。
やっぱり賢一さんは
あのまま兵隊になって、
おばあちゃんに会わずに
死んじゃうんだ!
「せめて、ねえ……もう一度だけ…もう一度だけ……」
おばあちゃんは涙声だ。
「………おばあちゃん………。」
涙声のおばあちゃんを思うと……
私の心のなかで何かが弾けた。
…………決めた。


