吹奏楽部の恋愛事情



「ちょ、待てよ・・・


そんな、だって!」


俺は動揺を隠しきれず、


上手く話しもできなかった。


「もう!落ち着きなって!!


確かに動揺する気持ちも分かるけど・・・」


桃華がなだめてくれたて、


とりあえずは落ち着いたものの・・・


それでもこんな事実を簡単に受け入れられず、


その場にあった椅子に腰掛けた。


しばらく何も考えられず、


ボンヤリと宙を見ていた・・・


すると、


「あ~、もうっ!!


あんたいいかげんにしねや!


そんなボンヤリしててもなんもならんやろ!?


そんなんしてるくらいなら、


さっさと愛に謝ったくればいいじゃん!」


この空気に耐えられなかった亞音が、


俺に対して怒りをぶつけてきた。


亞音の言葉は心にグサリときたが、


それと同時に背筋がスッと伸びた。


そして、


俺は勢いよく立ち上がり、


愛羅がいるであろう“いつもの場所”に向かって走りだした・・・