私は教室を飛び出し、
美術室まで全速力で走り、
そのまま美術室に駆け込んだ。
「はっ!?ちょ、愛?
どうしたの?!」
美術室は桃華や春貴とかがセクション練習をしてる教室で、
いきなり入ってきた私に、
桃華も春貴も凄く驚いていた。
私は唖然としている春貴にギュッと抱きつき、
しばらくそのまま春貴の胸に顔をうずめていた・・・
「ちょ、愛羅?
どうしたんだよ、いったい・・・」
春貴にこうやって抱きつくのは、
今日が初めてではない。
元々私と春貴は、
いろんな事を相談しあう仲で、
私が悲しい思いをした時とかに、
よく春貴に抱きつき背中を撫でてもらいながら話しを聞いてくもらっていた。
でもそれは2人だけの秘密で、
人前で抱きついたりなんかしたことなかった・・・
だから春貴もかなり動揺したものの、
いつも道理に私を膝の上にのせ、
背中を撫でてくれた。
これで少しは落ち着いたものの、
まだ話す気にはなれなかった・・・
「ねぇ、愛、大丈夫?
てか何故に春貴に抱きついてんの?
悠人に見られたらマズいんじゃ・・・」
桃華が優しく声をかけてくれたが、
今言葉を発したら、
涙がポロポロ出てしまいそうで、
なにも言えなかった・・・
「多分こいつ、今話すのは無理っぽいからそっとしといてやって?
とりあえず場所移動して、
話し聞いてくるから・・・
じゃ、愛羅いつもんとこ行くか?」
春貴の問いかけに無言で頷き、
いつもの場所、
音楽準備室まで移動した・・・
