次の日。

周りの友達では、裕太と私のキスの話題で持ちきりだった。

私が、最近仲良くなった、久保汐里も聞いてきた。


「奈緒〜。もう、キスしたの〜?早いな!」

「いや、たまたまだよ〜。」

「たまたまで、キスするわけないでしょ?私なんか、キスはまだしも、まだ、片想いなんだぞ。」

「でも、豊は結構いいと思うよ!」

「だよね!だよね!カッコいいもーん!」


汐里は、私の後ろの席の豊のことが好きらしい。

豊は、スポーツマンで、顔よし、頭もよし、小学校のころからモテモテなのだ。

英語の授業中。

「Make TATE pair partner.」


豊とだ。

「市川!やろうぜ。」

「あ!うん。」

やっぱ、あの爽やか笑顔、カッコいい。
あまり、顔で決める私じゃないが、豊は認められる。モテる理由が分かる。

休み時間。

友達と話しているとき、ふと、目を逸らすと、豊と目があった。

私に笑顔を向けてきた。

ほんと、爽やかだなぁ。マンガの世界みたい。
よく目合うな〜。
あ、もしかして…豊は私のこと好き!?


「おーい!奈緒どした?」


「い、いや、何でもないよ!ぼーっとしてただけ〜。」

「そうかな〜?何かある気がする!」


汐里にばれたら、ヤバイことになる…。
どーしよう…。
よし!隠し通すしかない!まだ、好きって決まった訳じゃないし!