『渚?どこ?』
私は、1階から4階のすみずみまで探しました。でも渚は、みつかりません。仕方なく外にでてみました。あと10分でチャイムがなってしまいます。いそがなければ。
中庭をみにいきました。中庭の隣は、駐車場です。1台の車が学校にはいってきました。授業中にこんな所にいたらまずいので、木のかげにかくれました。
10人のりぐらいの大きなワゴン車が駐車場にとめました。中からは、1人の男性が!?よくみるとその男性は、吉良千晶似でした。
あっ…私は、おもわず声をもらしてしまいました。千晶くん似の人は、こっちのほうをみてきました。もちろん、私は、木から出していた顔をかくしました。
千晶くん似の人は、5秒ほどこっちをみたらそのまま校舎へと、入っていきました。千晶くん?あの吉良千晶が本当にこの学校に通っているのでしょうか。ただ、吉良千晶に似ている人なのでしょいか。
あっ!そうだ。私は、こんなことをしている暇はないのです。渚をさがさないと。中庭には、いません。なのでまた、校舎をさがしにいきました。でも、いません。ふと目にとまった、学校案内板でいってない所をさがしました。
まだいっていない場所…。それは、屋上です。本校の5にあたる部分です。走ってむかいました。
屋上の扉のむこうからすすり泣きが聞こえます。きっと渚の声です。私は、扉をあけるのをやめました。扉をあけると渚が、こっちに倒れこんでしまうからです。私は、扉にもたれかかりました。今は、そっとしておこう。
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムがなりました。私は、もたれかかるのをやめて、立ちました。渚がこの扉を自分からあけてくれると思ったからだ。
おもった通り、渚は扉をあけてくれました。
渚は、まだ泣いています。
泣かないで…。私まで泣きたくなるじゃん。だから涙をふいて。


