『じゃあ、国語係がいい人?んじゃ、その2人ね。次に…英語!英語係がいい人ぉ?』
ちゃくちゃくに係が決まっていきました。さすが渚です。
『じゃあ、最後は飼育係。えー、最後の1人ってだれ?手あげて。』
渚は、教室をみわたしました。でも、誰も手をあげてません。
私は、黒板にかかれた係と人数を数えました。
やはり飼育係の1人がたりません。
手をあげてとなんどもいったのですが、手をあげとくれませんでした。しかたなく黒板にまだ、名前がかかれてない人をさがしました。
そして、5分後。名前がかかれていない生徒がわかりました。
相楽楓真(さがらふうま)という男子生徒。そう、私とじゃんけんして負けた男子生徒です。
『相楽くんは、飼育係でいいよね?』
私は、ききました。でも相楽くんは、目も合わしてくれません。すると渚が
『楓真!!ちゃんと話しきいてよ!!』
といいました。相楽は、こっちをみてくれました。でも、口を開こうとはしません。
『じゃああんたは、なんの係がいいのよ?!』
渚は、違う質問で相楽の口をあけようとしました。
『副委員長…』
相楽は、口を動かしてくれました。副委員長…この一言だけです。
相楽は、副委員長になりたいのでしょうか。そういえば、じゃんけんにまける前は、あんなに明るかった相楽だったけど、負けたとたん顔は暗くなり、静かになりました。
『もう副委員長は、小春に決まってるの。楓真は、飼育係でいいでしょ?』
『いやだ』
『楓真!わがままいわないでよ!あんたは、昔っからそうなのよ!』
昔から…?相楽と渚は、幼なじみのようです。相楽は、私をじーっとみてきます。
相楽は、どうしてそんなに副委員長になりたいのでしょうか。気になったので私は、相楽にききました。
相楽は、なにがなんでも渚と同じ係がいいというのです。こういう場合、どうしたらいいのでしょうか。
クラスの1部の男子生徒が相楽をからかいはじめました。渚の顔が赤くなりました。
『ちょっ…みんなやめてよ!楓真のバカ…』
相楽は、顔をふせて、腕でかくしていました。
私は、なにをしたらいいですか。教えて下さい。
『私…かわる。私が飼育係するから。相楽くんが副委員長になって。』
私の口は、かってに開いて話しだしました。私は、相楽の席までいって、副委員長のバッチを相楽の机におきました。
そして、相楽の背中を3回たたいて自分の席にすわりました。
ここでまた、司会がかわりました。


