私はどうしてこのとき、向井君の誘いに
OKしてしまったんだろ?



たぶん私は優斗はもう来ないと、
あきらめかけていたからかな?




そのあと私と向井君は何気ない話をして、



時間が来たからみんな
解散することにした。





美夏と歩く帰り道。



「梨衣奈♪あんた向井君と
仲良くしてたみたいだねぇ!」



そう言ってバシッと私の
背中をたたく。



「え?いや別に?っていうか、
痛い!」




「ごめんごめん。でも、
2人でご飯食べに行く
約束してたじゃん」



え!?


「何で知ってんの?」



「だって聞こえちゃったんだもん。
で、行くんでしょ?」


聞こえちゃったんだもんって…。



「行くの?」


「まあ…行くけど…」


誘われちゃったし…。



うんって言っちゃったし。




「優斗はもういいの?」




「そんなわけないけど」



優斗は忘れられないけど…。


「まあ、ただ優斗待ってるだけじゃ
つまんないじゃん!
だから、たまには他の男の子と
遊ぶのもいいんじゃない?」


つまんなくはないけどね。



でもいいかな?って思ったんだ。



たまには遊んだりするのも…。



「…うん。美香の方は?
誰かと仲良くなった?」



「あたしは亮太と仲良くなったよ!」



「ふーん」



亮太君かぁ…。




「亮太さ、あたしみたいに
明るいじゃん?」




「うん、そうだね」




「なんか、すごい気が合うんだよね~。
それに、一緒にいてなんとなく
落ち付くし」


へえー。



「そうなんだ」



「うん!」



美夏、もしかして…。




「もしかして、好きなの?」



私は美夏に聞いた。



すると美夏は、少し
顔を赤くしてこう言った。



「まだ会ったばかりだから、
よく分かんないけど、好きかも…」