唖然としている久美と美咲に、杏華は怜奈の娘、従姉で同じ高校生の奈々とのツィッターでのやり取りを見せた。
そこには、怜奈と奈々の弟で小学生の聡司は一緒に高台の避難所に避難していて、奈々と叔父の司は各々で避難している事がやり取りされていた。
「メール、ネットの方がいいみたいね。」
と、杏華はスマホの画面を消した。
「杏華…さすがJKは違うわね…。」
久美の言葉に、
「お母さん、何を訳のわからない事を…。しっかりしてよ。美咲もこれからどうなるか分からないから、しっかりね。」
と、言い残し自室の二階へ上がっていった。
残された二人は、しばらく見つめ合った後、はにかむように笑みを浮かべたのだった。
ようやく、ひとまずは安心できる時間を得たのだった。
その晩、一度だけ怜奈と携帯で話す事が出来た時に、家族揃って避難所にいる事と東京でも報道された大津波により、怜奈の自宅は破壊された事を聞かされたのだった。


