もう授業の内容なんて
頭に入んなかった。
友達の言葉さえ耳を通り抜けていく。
「琴。琴!」
「うひゃあ!!?ななな何?」
友達の冴(サエ)ちゃんに大きな声で
呼ばれたのにビックリして
おもわず変な声をあげてしまった。
「何してんの?次体育だよ!」
「えっ、嘘!?」
皆が着替えてるなか私だけ
ボーッとして席に着いていた。
「琴、アンタ今日大丈夫?
保健室行く?」
別に体調が悪いわけではないのに
保健室に行って授業サボるわけには
いかないしなぁ……
「考え事でもしてるの?」
やっぱり冴ちゃんにはバレるか…
「そうなの…」

