Milkyway-運命boy-

今日も、腕や足に切り傷をつけられ、血を抑えながら家を飛び出した。








…毎晩毎晩ここにくる。





誰も見ていない、誰も私の存在に気づかない、誰も話しかけてこない、そんなここが大好きだった。





都会の街中の公園なのに誰も来ないのが毎回不思議だ。







そして、今日は、あの不思議な人物からもらったファーコートも着てしまっている。





「…こんな高そうな奴…返さなきゃいけな…いよね…」




…でも手がかりもないし、







…あの人を忘れたくない。





返さなくてもいいかな、と思ってしまっている自分もいた。








なんでだろう、こんなに人が来ない公園で。





しかも、夜1時なのに。