「分かってる、どうせ私は子供だよ」
部屋に入ってから私はそっとつぶやく
その時なぜか、
『私だったら絶対お礼してもらったのにな-』とゆう由梨の言葉を思い出した
うん、格好良かった
うちのクラスの男子とも、北斗とも比べものにならないくらい
しぐさも、話し方も、声も、
全てが格好良かった
「あ-あ、お礼してもらえば良かった」
なんで断っちゃったんだろ私
川上さん…だっけ
あの時私が「はい」って言ってたらどこに連れてってくれたんだろ
川上さんは大人だから私が普段友達と行くようなとこなんかじゃない、もっと落ち着いてる場所に連れてってくれたかもしれない
…はぁ……
無音の部屋にため息が響く

