和臣は激しい憤りの為、興奮し顔を真っ赤にしていた。
「前から、なんかおかしいと思ってたんだよ!
だから、昨日一週間早く帰ってきたんだ。そしたら、うちに「奥さん、浮気してます」って電話があった。
この時間にここにくればいる筈だって。ほんとに浮気してたのか!?」
….それは貴子の仕業に間違いない。
美梨は確信した。
美梨の沈黙を肯定ととった和臣は、
足早に美梨に近づき、
「こいつ…そんな女だったのか!」
バシッと美梨の頭を思い切り叩いた。
艶のある長い髪が乱れ、
たまらず美梨は泣き出した。
「旦那さん!ちょっと落ち着いて下さい。彼女じゃなく、俺が悪いんです。
俺が誘ったんです!」
涼太が言うと、さらに和臣は激昂した。
「お前、誰だ!泥棒猫が!黙ってろ!」
そういいながら、美梨の肩をぐいと
掴み、乱暴に引き倒した。
「あっ…!」
美梨は、自分のボストンバッグにつまづき、前のめりに倒れ、床に手をついた。
肩から外れたコーチのショルダーバッグが、勢いよく投げ出される。

