夫の和臣が立っていた。
あまりにも突然起きた恐ろしい出来事に美梨は凍りつき、その場から動けなくなった。
美梨の異変に気付いた涼太が訊く。
「えっ、もしかして旦那?」
慌てて、二人は手をはなすがもう遅かった。
和臣の眼鏡の奥の目が、
怒りに燃えていた。
見たことが無い
恐ろしい形相だった。
今まで一度も、美梨に対して
怒鳴ったことなどない温和な夫。
その和臣が怒鳴った。
「美梨!俺がいない間、
どこで何をしてたんだよ⁈」
美梨は足が震え、
何も答えられなかった。
……なぜ和臣がいるんだろう…
それしか考えられない。
貴子だろうか…?

