「・・・ん‥‥」

目が覚めると、目の前にあるのは天井。

夢から覚めたのか…?

――ガラガラガラッ

音のした方を向くと、障子があいた。

あれ?私の部屋って、障子あったか?

すると、男が入ってきて、

「あ、起きましたか?おはようございます!」

「え、あ、・・おはようがざいます」

とりあえず、あいさつ…。その男は、着物を着ていた…。


え?着物!?ちょっとまって。

私が上半身をがばっと起き上がると

「あぁ、大丈夫ですか??いきなり体を起こして・・・」

その男の言葉を無視して、服を見ると、

うそ、着物…。

「・・嘘・・夢・・・」

ってか、ここ何処??

「あ、あの。」

「え?何?」

「元気になりましたら、ちょっと来てほしい所があるんですが、いいですか?」

私はその言葉を無視し、

「あ、あの。ここ何処?」

「え?あ、すみません。ここは屯所です」

「と、屯所!?」

「はい・・・」

屯所…?屯所と言ったら、あれしか思い浮かばない…。

まさか…。まさかね…。

「あ、もう大丈夫です。帰らしてください」

そう言って、立ち上がると、

「あ、あの、ちょっと来てもらえませんか?」

「え?どこに??」

「別の部屋に」

は?別の部屋??

「はぁ?」

「じゃ、行きますよ」

その男は、私の手を引っ張って歩いた。