部屋へ戻る途中、真紘さんのことを思い出した。
初めて出会った日。
土方さんと不逞浪士を捕まえる仕事をしていた。
その目的であった不逞浪士に刀のない武士の子が斬られそうになっていた。
その不逞浪士を斬り終え、その子を見ると、気分が悪そうに手で口を押さえ逃げてしまった。
後から土方さんが、
「どうした?」
と訊きに来たが
「いえ、何でもありません」
と言ってそのことを言わなかった。
屯所へ戻るとさっきの子が屯所の前で倒れていた。
つい、
「あ!この人」
と言ってしまい、さっきのことを話した。
その子に近寄ると、顔色が悪かった。
それにその子は女の人だった。
背が高いわりには、喉仏が全然出ていないからだった。
すると土方さんは
「・・・ったく、しょうがねぇな」
と空いていた部屋にその子を寝かせた。
照れ隠しなのか、
こんなところに倒れても困るだけ。
とか
長州の奴かもしれない
と、言い訳していた。
結局、土方さんはいい人だ。


