自分の部屋へ戻ろうと、土方さんの部屋を通ろうとしたとき、
「それで、新見さんのことなんだが・・・・・。・・・それで今、山崎に・・・・」
途中よく聞き取れなかったが、土方さんの声が聞こえた。
しばらくして、土方さんの部屋の障子が開いた。
まずい・・・と思った
「お、総司」
と障子から近藤さんが出てきた。
「昼食の帰りか?」
「はい」
「そうか」
すると部屋のほうから
「あ?総司?」
と土方さんが部屋から出てきた。
「総司、今の話・・」
「はい?話?」
知らないふりをした。
「・・いや、なんでもない」
「そうですか」
「じゃ、歳、俺は部屋に戻るよ」
「あぁ」
そして近藤さんが自分の部屋へ戻っていった。
近藤さんが見えなくなると、
「芹沢と黒崎はまだ出かけているのか」
「はい。私も昼食、ご一緒させていただきました」
「一緒にって、お前」
「なんですか?」
「え?いや、なんでもない」
「そうですか」
何か言おうとした土方さんだったが、結局言わなかった。


