翌日、そいつは目が覚めて、総司と一緒に俺たちのところへ来た。
そいつはやはり背は高く、顔だちもよかった。
武士の服を着ているせいか、美少年に見えた。
俺が長州の奴か聞くと、そいつは呆れた顔をし、
未来から来たといった。
そんなのありえねぇ。あやしすぎる。
そいつに名はなんだと聞くと、
“人に名を聞くときは自分の名を名乗るのが礼儀だろ!!”
って切れられた。
近藤さんが自分の名を上げようとした時、
そいつは近藤さんの名と、家内のことまで言った。
そして俺のことまで。そして総司のことまで。
こんなに詳しい奴はいない。
だが、江戸奴に聞いた可能性も・・・
するとそいつは俺の俳句を言いやがった。
俺は誰にも見せていないはずなのに。
総司まで笑っていやがる。
それに総司の奴、俺をみてニヤッと笑っ・・・!
まさか総司、俺の発句集知っていたのか!?
くっそぉ~。


