-土方said-
黒崎真紘、その女は突然現れた。
数日前、総司と不逞浪士を斬り終え、屯所に戻ると、
屯所の前に人が倒れていた。
「・・なぁ総司、あれ・・」
「あぁ人が倒れてますね」
俺たちは近くによってみると
「あ!この人」
「あ?総司、知り合いか?」
「いえ、さっき不逞浪士を斬ったとき近くにいて。
それに斬られそうになっていましたし。
私が不逞浪士を斬り終えたら、青ざめて逃げてしまいましたが」
「へぇ」
「・・・顔色悪いですね」
総司は倒れている奴の顔を覗き込んで言った。
「・・・ったく、しょうがねぇな」
「え?屯所に入れるんですか??」
「あぁ、こんなところに倒れても困るだけだしな。
もしかしたら、長州の奴かもしれねぇし」
俺は倒れている奴を背負っていった
「はぁ・・・・。・・・あれ、もしかしてこの人女?」
「あ?・・・・女だなこいつ」
たぶん総司は、こいつに喉仏がないのに気付いていったのだろう。
こいつの背丈は低くない。このくらいの男はたいてい喉仏があるはずだ。
そして俺たちは空いている部屋にそいつを寝かせた。


