「私は、入らない」

「何でだ。・・・お前、刀ねーじゃねーか」

「知らねーよ。ここに来たときからないし」


「・・・おい、総司、今日午後でもいいから、こいつと刀買ってこい。金は渡すから」

「はーい」

「私はこいつじゃない。黒崎真紘だ。覚えとけハゲ」

「な!」

「それにここに小刀がある」

と言いながら、服から小刀を出した。

そしてふたを外し、自分の腕に当てようとした。

「おい、てめー。何をしている」

「何って、見てわかんないのか?斬ろうとしているんだよ。血ぃ出るかどうか。おめーは目も見れねぇのか?」

「目もってなんだよ、目もって!!・・・というか、血ぃ出んのったりめーだろう。それに、しまえ、小刀しまえ!」

うるせ!

「っち!」

「おい!舌打ちするな。女だからまだいいが」

んなもん無視。

「私は、入らないからな」

「なぜそこまで」

「お前こそ何でそこまで!!」

「お前が行くとこないからだろ」

「だったらなんだ!」

「いいから、ここにいろ!」

「偉そうに!」

「・・・・お前なんで入らない」

「人は斬れない・・・・」

「は?そりゃあ、女だからな」

「そうじゃない!!人を斬ったら犯罪になる。未遂でも」

「犯罪?」

「あぁそうだ。犯罪だ。警察に捕まる。いくら時代が違えど自分の時代に戻った時、怖くなる」

「はぁ?けいさつ??」


「あぁ。人を斬るとこは、私の時代では犯罪。もちろん未遂でもな。犯罪とは、悪いことをしたということだ、それを捕まえるのが、警察」


「・・・わたっか。お前は何もしなくていい」

「黒崎真紘だ!」

「・・・お前は何もしなくていい黒崎。俺の小姓や総司の補佐をやれ。だが、刀はつけろ」


「・・・ほかの隊士を呼べ。今からいうやつを。井上源三郎、試衛館の食客の藤堂平助、永倉新八、原田左之助、山南敬介・・・・あと、斉藤一」

「・・・なんでだ」

「いいから」

「・・・まぁ、後からそいつらに言おうと思ったからいいが」

「一応、新撰組には、入る」

「ほんとうか?」

「一応だからな!!」

「・・・わかったよ」