・・・覚えていることは、自分の名前と、年齢、職業だけだった。

・・・何故だ・・・。

「おめー。屯所の前で倒れていたんだぞ」

「そーですよ。私が不逞浪士を斬って、土方さんと話していたら逃げてしまって。そのあと、屯所に来たと思うんですけど」


「まったく、あんなところで倒れるなよ」

「そーじゃない。私で生きていた時代のことが思い出せない」

思い出そうとするけど…。

ズキンッ!

「いたっ!」

私は、その場で座り込んで頭に手をやった。

「どうした?」

「思い出そうとすると、頭が痛くなって‥‥」

まるで鎖につながれていて、その先を行くことができないような・・・。

「・・・もともと、お前を返すつまりはない」

「な!拉致するのか!!」

私は、土方の方を向いた。

「は?拉致?」

「人質だよ。うわー汚っ!!」

「ちげーよ!」

「じゃあ、なんだ!!」

と、立ち上がって言った。

「新撰組に入れ!!」

「はぁぁ!?」

何を言いやがる、バラガキ!!

「てめー、言ってることがわかってんのか?」

「あぁ。新撰組に入れ!」

どうやったら、そうなる!!

「もし、未来に私の名をに残ったりしたら・・・!というか、言われなくても入らない!」

「なぜだ!」

「お前こそなぜ入れる!!」

「ここでって行ったところで、どうなる。行く場所ねーだろ」

「行くと来ないなら、死ねばいい。いづれ死ぬ。この時代に死ぬのは嫌だが・・」


「・・おめー」

「なんだ?」

「・・・入れ、新撰組に」

だから何でそうなる。