ちょうどそのときだった。


「…ごめん、遅れた」



小走りで先輩がこちらに向かってきたのは。







______……。






「はい先輩、チケット。」



映画館のあるショッピングモールに入ってからチケットを買って先輩に手渡すと、


「ありがと」と小さな返事が返ってきた。



そんな些細なことで舞い上がってしまう私は単純?




でもなんでだろう…なんか……今日すごく、うまくいく気がする…!




「映画まで時間あるし…テキトーにブラブラする?」


「する!します!!」



うわぁぁ……


すごい…。



なんかこれってホントに…デートなんだ…。



一歩先を歩く先輩の後ろ姿を見据えて、


私は一人、うっとりしていた。