「緊張してる?」 「そりゃあ…初めてですもの」 「どこ行くの?」 「映画見に行くの。いま大ヒット中のアレ」 「え…もしかしてあの怖そうなやつ?」 「…うん」 そうだよ、あの怖そうな映画。 予告だけでも鳥肌が立つっていうのに…。 「ヒロチー……平気?」 「…え?」 「苦手じゃなかった?あーゆー感じの話…」 真剣な瞳で私と目を合わせるカケちゃん。 あれ…なんでカケちゃんがそのこと知ってるんだろう。