あのとき私は学級委員長で……カケちゃんは問題児。
暴力沙汰とかではない。主に、勉強面で。
『なんとかしてくれ。このままじゃアイツ中卒だから』
推薦でほとんど合格が決まっていた私。
それと、委員長だということもあったのか、好都合だと踏んだ先生がそう頼んできたんだ。
「私、教え方下手だったじゃん……あれのお礼なんて、もったいないよ……」
「何言ってんの、俺ヒロチーがいたからこの高校入れたんだよ。補欠合格だったけど」
私が…いたから?
「俺…この子と同じ高校入れたら楽しいだろうなって思ったし。だから、頑張れた」
キュッと手を私の手を包み込むように握るカケちゃん。
……そんなことを思ってくれてたんだ。
「それにあのときの俺、もう全部テキトーでいいやとか思って捻くれてた。
あのままじゃ本当に、どうかなってた。
だから……ヒロチーには本気で感謝してる」



