あげるって……
「だ…だめだよ!カケちゃんの無くなっちゃうじゃん!」
「いいよ全然。これ、持ち歩きように移し替えたやつだから」
カケちゃんはそう言って私の手をとり、そのボトルを無理矢理握らせた。
「彼氏をコレで、夢中にさせてやんなよ」
「…っ」
強い瞳に訴えられて、なにも言い返せなくなる私。
ずるいよ…カケちゃん。
「それに…中学の時のお礼、してなかったじゃん?」
中学の時の…って……
「あ、あんなの全然…役に立ったかどうか……」
思わず視線を逸らしてしまう。
そう…私、中学の時カケちゃんに勉強を教えていた頃があったんだ。



