【完】彼を振り向かせる方法





「手首、かして。」


「あ…うん」



言われるがままに手のひらを上に向けて机の上に手首をさらした。



手首に…つけるのかな…?



カケちゃんは小瓶を持っていない方の手で、手首にそっと触れた。




誰もいない教室。


誰もいない廊下。




なんだかすごく…緊張する。




ゴクリと唾を飲み込むと、その音に気づいてカケちゃんはクスッと笑った。




そしてそのまま、

私の手首にシュッと香りのエッセンスをまいた。