慣れてないって見透かされちゃったけど、それでもやっぱ嬉しいな…。
「ありがと」
私が笑いかけると、彼もつられてまた微笑んだ。
「ヒロチー。香水はさ、自分がコレだって思ったものを選べばいんだよ」
「…?」
「一瞬で、直感でいいって感じたものが、一番自分に似合うからさ」
「そ…かな」
一番自分に似合う香水…か……。
それを聞いて、なんだかいままでずっと遠くにあった存在がぐっと近づいたような気がした。
「ちなみに俺はコレ」
そう言ってカケちゃんはズボンのポケットの中から、
小さなプラスチック製の小瓶を取り出した。



