【完】彼を振り向かせる方法





カケちゃんの首筋に顔を近づけてクンクンと匂いを確認する。


フワッ…。



また鼻腔をくすぐる…甘い香り。



チョコ…とかとは、なんだか違う種類の甘さ。



「カケちゃん…これ、香水?」



顔を離して聞いてみた。




「ん?あぁそうだよ」



「へぇ…カケちゃんこんな甘い香りつけてるんだぁ」



「あ、違うよ。この香水は、女の子のを無理矢理つけられただけだから」



「無理矢理?」



「そ。いい匂いだねって通りすがりに言ったら、

『翔にもつけたげる!はい、おソロ〜』


っつって、無理矢理」



ははっ、と笑いながら首筋を指差した。

やっぱりそこにつけられたのね。


そっか、この香りはカケちゃんの好みってわけじゃなくって、


女の子の香水だったのか…。



それにしてもやっぱ凄いな。


通りすがりでそんなことに気づくなんて。