【完】彼を振り向かせる方法






なによもう……可愛すぎでしょ。


久しぶりに感じる優しいこの空間の中で、彼と私の鼓動がシンクロしたような気がした。






「ほんとに勉強してたんだ……」


カケちゃんの部屋に入ってまず目に入ったのは、机の上に散らばったテキストとペン。


思わずそう口走った私に、彼はクスッと笑いだした。



「まぁ、ヒロチーに教わんなかったとこ全部、見事に追試だけどね」



そう言う彼に促されてカーペットの上に座る私。

追試だっていうのに、ピースサインを向けるところは本当、カケちゃんらしい。




「でさ、ヒロチーこれ分かる?ここの最大値の求め方」


「ん?」



カケちゃんは私の斜め前に座って、テキストをこちらにスッと差し出した。




えっとここは確か、あの式を使うんだっけ?

んー、でもなんかピンとこないなぁ……。

そっか……わかった、あれか!




なんて、試行錯誤を頭の中で繰り返しているうちに



「へ……?」




カケちゃんの肩が、私の肩に密着していたんだ。