「ヒーロチー」
自分に呆れてため息をつくのと同時に、カケちゃんが私の顔を覗き込んでいた。
「あ、ごめん……」
そう言って頬を赤く染める私を、彼はクスクスと笑いながら、玄関に迎え入れてくれた。
とゆうか……勢い余って家にまでお邪魔してしまったけれど、
何も連絡なしに失礼だったんじゃ……。
あぁぁ……バカ千紘。
誰もいないリビングを通り抜けながら、半分自己嫌悪に陥る私。
「つーか、ヒロチーほんとにナイスタイミング」
「え?」
「俺いまちょうど追試の勉強しててさ。チビたちと母ちゃんは外出してんのに、寂しいなぁって思ってたところ」
階段をのぼりながら後ろについて行く私を振り向いて、カケちゃんはクスッと笑った。
その瞬間にドキドキと暴れ出す心臓。
……不意打ちでその笑顔、反則でしょ?
「だから、ヒロチー来てくれて嬉しい。寂しいどころか……超ハッピー」
そして、今度はそう言ったカケちゃんの方が、頬を赤く染めていた。



