すると、カケちゃんの指が私の頬をふにっとつまんだ。
少しだけ、痛い。
「確かに俺は……ヒロチーよりも経験豊富だとは思うけど、それは形だけだよ」
優しく笑いながら、彼は頰から手を離した。
「…形だけ?」
「うん」
カケちゃんは真面目な顔で頷く。
それにしても、形だけって…どうゆうこと?
「いまのヒロチーみたいに、本気で恋愛なんて……したことないから俺」
目を細めて笑うカケちゃん。
ちょうどそのとき窓から夕日が差し込んで、
カケちゃんのキャラメル色の髪の毛がキラキラとその夕日に照らされた。
メニュー