【完】彼を振り向かせる方法





「ひゃっ……」


くすぐったくて、変な声を出してしまう。



「ねぇ、ヒロチー……ダメ?」


「……っ」


耳たぶに生温かい温度が伝って、全身がフリーズしてしまう。

カケちゃんは、わざと私の耳に唇を触れさせて、話しているんだ。


熱い……熱いよ……。



「俺、この前のキスで……もう結構、限界きてるんだよね」


そう言った彼の声は、甘噛みをされてしまうのかと思ってしまうほどに、近い。


俯くことしかできない私は、ただただ顔を熱くさせていた。




「なのに、他の奴に触られてるの見ちゃうとか……もう死にそう」



私だってもう……死にそうなほどドキドキしてるよ。


こっそりと、心の内で反論していた。




「ヒロチー、顔真っ赤だよ」


突然視線をずらして、私の顔を覗き込んだカケちゃん。


そのおかげで、パチッと目が合ってしまった。



「そ……そんなこと……っ」