「……ヒロチー、大丈夫?」
「えっ?」
すると、俯いてばかりいる私の顔をカケちゃんが覗きこんでくれた。
そんな何気ない仕草に、彼の優しさを痛感してしまう。
私のバカ……何1人で精一杯になってるんだろ。
結局いつも、カケちゃんの優しさに頼ってしまう自分が情けない。
「具合、悪い?平気?」
「だ、大丈夫!古典っ、終わらせちゃおうか!」
あたふたしながら、テキストのページをめくる。
こんなんで私、まともに告白できるのかなぁ……。
「んじゃあ……形容詞んとこ、教えて」
まだパラパラと意味もなくページをめくる私に対して、カケちゃんはパッとテキストを開いた。
そして
「えっ……」
ピッタリと、私の身体にくっついたんだ。



