手首も足も解放された。
そして先輩はソファの隅でうずくまる。
その隙に足をソファの上で滑らせて先輩の股の間をすり抜ける。
そしてそのまま床に足をつき立ち上がり、先輩から離れた。
3秒くらいの出来事のはずなのに、背中がひんやりと冷たくなっていた。
冷や汗……。
すごく、緊張した。
「ごめんなさい……先輩」
いまだ急所を抑えて唸っている先輩の方に、頭を下げた。
そうだ、私そういえば有る事無い事……。
「あの……さっきの話は」
「……嘘なんだろ」
「へ?」
声をお腹から絞り出すように言った先輩の言葉に、思わず目をみはる。
「もしかして、気付いてたんですか……?」
私が先輩の気を引くために、わざとあんな態度で嘘八百を吐いていたこと……。



