「ヒロチーはなにしてんの?」

なんとなく彼の前の席に座った私に、問いかける。


「ちょっと、忘れ物をねぇ…」



「げ。それってもしかして、勉強道具とか?」



「ははっ、せーかーい」



「……さすが。まだ2週間前なのに?



「あと2週間しかないんだよ?」



「……3日前にならないと危機感わかないっス、俺」




彼はわざとらしくペロッと舌を出して首を傾げる。



そんなのまで絵になるなんて、ちょっと悔しい…。



「もうっ、それじゃあ中学の時と変わらないでしょ?ちゃんと計画的にやらないと〜」



対抗して私も頬を少し膨らませてみた。