「んー、どこだろ」
どこがいいの、とか言われたってそんなの分かんねぇわ正直。
リビングの照明を見上げて考えるふりをしてみるけど、
そんなの意味ないと思うしさ。
俺にとっては、ヒロチーがこの世で一番可愛くて……大切にしたい女の子っていうだけ。
なんか不足ある?
「ふーん、ゾッコンなんだ」
「ん?え?」
「顔に出てるっつーの」
呆れたように俺を見つめる光波。
「お前も千紘も、分かりやすすぎー」
今度はイーッと歯を見せて、そのあと鼻で笑った。
「なに?それ。ヒロチーも分かりやすいって、なにが?」
「それは言わない」
光波はツンッとわざとらしく視線をそらして横を向いた。
なんだよそれ、寸止めかよ。
今日一日モヤモヤすんじゃんか、光波のせいで。
「つーかさ、俺がヒロチーのこと好きって気づいてたんなら、なんでくっつけようとしたんだよ?」
「……」
そうそう、俺もちょうど、こいつに聞きたいことがあったんだ。



