......勢い任せ......?



違う。あれは、勢いなんかじゃなくて私......キスしたいって、あのときそう思ってた。



「千紘?」



凛は考えにふけっていた私の顔を、横から覗いた。




「あぁ、ごめんごめん。で、なんだっけ?」


「千紘と大地くん、肝試しのとき帰ってくるのが遅かった理由ー」


「そうだった。あの、ね......道に迷っちゃったんだ、私たち」




そう言った後で、私は渇いたのどにジンジャエールを流し込んだ。




「え?迷ったの?」


「うん」


「ほんとにそれだけ?」


「え......」


「大地くんと、何かあったとか」



ギクッ......。



凛、なんか今日鋭くない?光波みたいだよ。



とくにその、ニヤッと口角を持ち上げる感じとか。