【完】彼を振り向かせる方法





てゆーか私、手を握ってくださいなんて言ってない気が……。


もしかして、私の心の中スケスケとか?




……ありうる。




「んーっと……とりあえずさっき曲がったところまで戻ってみようか。

あの、黒い矢印の看板のとこまで」



カケちゃんは来た道を振り返って、真正面を懐中電灯で照らした。



「俺らが探さなきゃいけないのは、赤い矢印。

あの黒いやつは……フェイクか?
まぁけど、途中で色違うって気づいてよかった」



「あぁ……そっか、布目(ぬのめ)さんがそう言ってたのか」



布目さんっていうのはうちのクラスの学級委員で、


この茂みに入る前に肝試しのルールや、道順や、カケちゃんの言う矢印とか……

もろもろ説明してくれていた子なんだ。




「そーそー。うっかり忘れるとこだった」


「ご、ごめんなさい……私も聞いてれば……」



声を小さくして俯くと、頭から体温が伝わった。



「クスッ……いいっていいって、気にすんな。一緒に探そ」



また……。


カケちゃんが私の顔を覗くたびに、笑顔を見せるたびに感じる、変な感覚。



胸の奥が疼くような、そして喉がキューッと締まるような……


そんな感覚。