ま……迷った?
いま、そう言ったよね?確かに。
「カケちゃん……それ、ほんと?」
恐る恐る、そして首を振ってくれることを願いながら、
焦りを浮かべる彼の顔を覗き込む。
「いや、うん……マジ。さっきの矢印は、俺たちの誘導用のやつじゃない」
ほんとダサいわ俺……と最後につけたして、懐中電灯を握る手で頭を抱えるカケちゃん。
「ごめん、小生意気に手とか握ったくせに……頼りねぇよな」
彼はそう言って、ばつが悪そうに笑った。
カケちゃん、ほんとに落ち込んでる……。
違うのに。
全然、頼りなくなんてない。
私のことを思って手だって繋いでくれて、そのおかげで冷静でいられてるのに。
「カケちゃん、その……私たちの誘導用の矢印って、どうゆうの?
さっきのとは違うやつ、なんだよね?」
「うん……そうだけど」
「じゃあ、一緒に探そう。私は平気。カケちゃんが……一緒に居てくれれば。
……ちょっとは怖いけど、全然平気だから。
それに、矢印間違えたなら方向音痴は関係ないよ。大丈夫」
どうしても落ち込んだカケちゃんを見ていられなくて、
私は繋がれた手をギュッと強く握り返し、笑って見せた。



