「上条さん、だっけ?名前なんてゆうの?下の名前」
「千紘だよ。知らなかったの?私、学級委員なのに……」
「え?そうなの?」
「……やっぱり私、影薄いのかな」
彼女の言うとおり……ってのも失礼だけど、
ヒロチーは中学の時、本当に目立たない子だったんだ。
今ではこのとき以上に、もっと可愛くなっちゃったけど。
「わぁっ!ねぇ大地くん、これってこの辺のご当地キャラ⁉︎」
そしていきなり、俺の筆箱についたストラップをいじりだした。
「そーそ。可愛いっしょ?」
「うん!いいなぁ、私ずっとこれ可愛いと思ってたの!」
「けどみんな趣味悪いってゆーんだよ。俺ら別に悪くないよな?」
「ないないっ、てゆーか人気ないんだぁそれ」
クスクスと笑いだす彼女の笑顔に、この時の俺はどこかで穂乃香と彼女を重ねていた。
だけど違う。
穂乃香とヒロチーは、やっぱりどこか違う女の子だった。
「あのさぁ、上条さん」
「ん?」
あるとき、シャーペンを目の前で動かす彼女に、俺は問題を解く手を休めて話しかけた。



