もうすでに半泣き状態の私。 先輩はなんでこんなに怖い映画が好きなんだろう……。 本当に楽しめてるのかな? そう思ってちょっとだけ首を捻り、先輩の顔を盗み見ようとした。 ……けど。 「え……」 左隣にいるはずの先輩が、いなくなっていた。 いつの間に……? 私が怖いのに気を取られていた隙どっかいっちゃったって事? でも、ジュースも置きっぱなしだし……きっと、トイレだよね。 勝手に納得した私は、また恐怖のスクリーンに視線を向けた。