【完】彼を振り向かせる方法




はぁぁ…。


電車を降りて先輩と別れた私は、ホームに着くなりため息をついた。



先輩の学校…春桃の最寄り駅は、私が降りる駅より一個先。


だから先輩より私はいつも先に降りるのだ。



私も、もう少し勉強頑張って春桃入れば良かった…。


春桃はここ周辺で一番の進学校で、なかなか入るのが難しいらしい。


楽して推薦で入ろうとか思わなければ、春桃も十分狙えるレベルだって、

当時の担任に言われたのをふと思い出した。



後悔先に立たずとはまさにこのことだ。




はぁぁ…。


改札を抜けてから本日二回目のため息。


傘をバサッと開いてどんより雲の下にでた。




「あっ、翔(かける)じゃん。おっはよ〜」



すると、急に後ろから少しハスキーな女の子の声が。