「どこなんだよここって…」 桜並木の道を、私は重い足を引きずりながらひたすら歩いていた。 左手には下手な説明の地図を握り、目線は決まって赤のペンで囲われた場所。 "黒証学園高等学校" と書かれた所だった。 本当に着くのかよこの地図! いくら方向音痴な私でも、地図は読める。 でも、地図の中での現在地もあやふやな私には、目的地に着くなんて無茶な話だ。