[仮]ヒロインは私⁉




「困ったことでもあった?」


戸惑う私に優しく聞く彼は、私をまっすぐに見つめていた。



やばい、吸い込まれそう…


痛い程の強い視線に、私は目を合わせることが出来なかった。


「道に迷ってしまって…」



小声でそそくさ呟いて、地面に視線を落とす。


俯く私に彼は、"どこに行きたいの?"と耳元で尋ねた。



「こ、黒証学園ですっ…」


こんなことに慣れていない私は、きっと顔が真っ赤なのだろう。


うまく言葉を発せずに、また小声で答えた。