「困ったことでもあった?」 戸惑う私に優しく聞く彼は、私をまっすぐに見つめていた。 やばい、吸い込まれそう… 痛い程の強い視線に、私は目を合わせることが出来なかった。 「道に迷ってしまって…」 小声でそそくさ呟いて、地面に視線を落とす。 俯く私に彼は、"どこに行きたいの?"と耳元で尋ねた。 「こ、黒証学園ですっ…」 こんなことに慣れていない私は、きっと顔が真っ赤なのだろう。 うまく言葉を発せずに、また小声で答えた。