「みーおっ!また悩んでんの?」
元気な声を聞いて後ろを向く。
「愛梨…。うん。まあね…」
「また篠崎のことぉ?大体ね、美緒は自分がかわいいの気付いてないだけだって!あんたねぇ、男子からの視線感じない?こーんなに可愛いんだからさっさと気付きなさいっ!」
愛梨にほっぺを掴まれて、思わずいひゃ!っと声をだす。
「ひゃわいくないよぉ。ってかほっぺはなひてー」
「またまたぁ!美緒!あんた今月何回、告られたか覚えてる?1組の小沢とぉ…3組の山口とぉ。んーとあと誰だっけ?」
愛梨が指を出して数え始める。
相変わらず離してくれないほっぺがひりひりと痛む。
「とにかく!あんたはかわいいの!だーから自分にもっと自信を持ちなさいっ!」
「もーやめてよ愛梨!声デカい!」
やっと離してくれたほっぺをさすっていると、
「もー!だから!ちゃっちゃと篠崎に話しかけてきーなさいっ」
「ちょっ!愛梨!」
無理やり背中を押す愛梨に戸惑いを隠せないあたしは愛梨から逃れることに必死だ。
「あっ!いーこと思いついたぁ!」
いきなり止まった愛梨を見るとあからさまにニヤニヤしている。
