急いで顔を戻そうと顔をパンパンと叩く。

直った…かな?
にやけてるとこなんか彼にみられたらシャレにならない。

はぁ、と一息、息をつくと時計の針は2時27分を指していた。

長い5時間目もあと3分で終わりというところだ。
あたしはふと、窓の外を見つめた。
長い冬も終わり、季節は春を迎えようとしていた。

桜の蕾もぐんと膨らみ、あと一週間もすれば桜が咲き始めるだろう。

視線の方向を、緊張しつつ、彼に向けてみる。

あ…

視線が…ぶつかった。
彼と、目があってしまった。

石のように硬直したあたしの体に逆らうように、心臓は爆発しそうなほど激しい動悸に襲われていた。

目を逸らすタイミングが分からないあたしは、きっと顔が真っ赤だ。

それが、彼に伝わってしまうのが恥ずかしくて、あたしは無理やり視線を君から外した。