ー愛梨のバカっ!
あたしは嬉しいような怒ったような。不思議な感覚に襲われていた。愛梨の優しさだとわかってるけど。
愛梨ったら強引過ぎるんだから…
ーそりゃ、篠崎くんとふたりきりになれるなんてそんなに嬉しいことはない。
でも…でも…
一体何を話したらいいんだっ!
必死に話題を考えてるうちにあっという間に放課後になってしまった。
ヤバイ…ヤバイ!
汗がとまんないし!
「あ!篠崎ぃ?あたし今日ちょっと用事あるから代わりに美緒に頼むから!」
愛梨の声が教室中に響く。
「え?蒼伊 ?わかった。」
「美緒を頼んだよー!」
「おう。蒼伊!頑張ろうな!」
篠崎くんのキラキラした笑顔頑張ろうあたしに向けられる。
あたしは恥ずかしくって思わず俯いて、うん、と小さく呟いた。
