気まぐれ王子とサル女






「あっ、お前血が出てんじゃん。」



転んだ私の膝からは
両膝から血が出ていた。



「へへっ!このくらい大丈夫。
サルは転ぶことは慣れてますから。」



久しぶりに爽太と話した嬉しさと
爽太には心配をかけられないという気持ちが
入り乱れながらも
私は不意に笑みがこぼれる。



「ばーか。我慢するなよ。」



そう言って爽太は
しゃがんで私に背を向けしゃがみ、



「ほら!」



「えっ?」



「ほら乗れよ。ろくに歩けねぇだろ。」



予想もしていなかった
爽太の行動に
私の頭の中で?がいっぱいになったと同時に
爽太に迷惑はかけたくないけど
背中に乗りたいなんて思ってしまう私。


甘えちゃダメだ!


爽太の後姿を見ながら
私はゴクリと唾を飲み込む。


「…いや、大丈夫!
歩ける歩ける。」



私は足踏みしようと
足を上げた途端


「痛っ」


足に激痛がはしり
痛さのあまりうずくまってしまった。